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追記

京都でAさんの話をきいて、「電気」に対して一つだけ気持ちが変わった事がある。

私は暗いところが苦手で、割と各所、電気をつけるほうだが、こまめに消す様になった。

「これって、Aさんが作業した広野火力でつくられた電気かもしれない」と思ったり。

まるで、野菜は農家に、魚は漁師に感謝するみたいに、
電気も「誰か」が作っているのだ、と思うようになった。

今考えると、当たり前すぎて不思議に思えてくるのだが。

それほど、電気に興味関心がなかったのか。

【お知らせ】

明日は、イレギュラーで、ラジオ日本 報道センターです。

いつもと違う曜日で、かなりどきどき。
がんばりまーす。

これからのラジオの話

少し前の話になるが、エンターテイメント業界に関する勉強会に参加する機会を得た。

名前を挙げれば、誰もが知っている日本を代表するエンターテイメント企業のキーパーソンとも言える方。

勉強会は、さすがに、日本のエンタメシーンのど真ん中にいらっしゃる方なので、その話はとても生々しく、
現在のエンタメ業界がそのような状況なのか、韓流のシステム、その強さの秘密、また業界規模の推移を具体的な数字を挙げて説明してくださった他、ビジネスとしての細やかな分析や対応策など、門外漢の私でもすんなりと入ることができ、とても興味深い内容だった。

CDが売れなくなった、と言われて久しい。
「衰退産業」の音楽・エンタメ業界。

そこは、私が今属しているラジオ業界も、状況を同じくする。

しかし、お話を聞いている内に「これは、根本的な視点が違う」と、段々絶望的な気分になってきた。

同じ「衰退産業」でも、エンタメ業界は(もしかすると、氏の会社、氏の周辺だけなのかもしれないが)ちゃんと「外部」を見ている。外部を取り込み、その変化に対応しようとしている。仕掛けようとしている。

ところが、ラジオ業界はどうだ。
見ているのは内部ばかり。自分たちの足下しか見ていなくて、どこが聴取率や占有率が一位だとか、radikoは救世主だ、ビジネスチャンスだとか、全て内向きではないか。

ビジネスとして包括的に、業界全体を、また、社会との関連性を、俯瞰で捉えようという視点が全く感じられない。

さて。
では、ラジオマンはどうすべきか。

思い切って言ってしまえば、分からない。
簡単に答えは出ない。

ただ思う事は、「ラジオサイズに収まらない」ことの重要性だ。

ラジオはとても素晴らしいメディアであると思う。
大掛かりな装置や、空々しい演出が要らない事、聴取者が考える、入り込む余地がある事、巨額が絡むビジネスシステムではない分のフットワークの軽さ、そしてなにより、人に触れるメディアである。

ラジオは、人と人とをつなぐ。人と社会をつなぐ。
今、流行のSNSに比べて、個人的度合いと公共性のバランスが取れていて、体温が伝わって、人に触れる事ができるメディアなのである。

規模感がとても小さいスモールビジネスだが、人の心に直接なにかを届けることができる。

その素晴らしさに魅せられた人たちが、ラジオに集まる。ラジオマン達は、ラジオが、大好きだ。正直、対してギャラは良くないし、かっこ良くもない。でも、みんな、ラジオが大好きなんだ。

だからこそ、近視眼的な視点から抜け出せない。一歩外に出てみると、本当は、もっといろんなものが見えてきて、いろんな流れや空気や風や音を感じる事ができるはずだ。

もう一度言うが、私如きが、ラジオ業界に対して革命的な提言をするなんて、極めて困難な話だ。
もっと賢いビジネスマンや、コミュニケーションデザインのプロは山ほどいる。

ただ、ぼんやり思う事は、ラジオの訓練をしているだけでは、ラジオの一番にはなれない。

今は「ラジオサイズには収まらない」事をテーマに、これからのラジオの話を考えていきたい、と思う。

小さな祈りとカレッジリング

「それ、きれいね」
友人の視線が、指先に止まった。

小さなダイアモンドが入ったゴールドの指輪。
母校のカレッジリングだ。

石(貴石、半貴石)が好きな私は、何かしら小さなものを身に着けているのだが、
考えてみれば、宝石の類いを人から頂いた事は、ほとんどない。
現在手元にあるものに限定して言えば、全く、だ。

婚約指輪や結婚指輪なるものも、丁重にお断りした。

優先順位第一位を外せない指輪がある、と。
それが、その指輪。
神戸女学院のカレッジリングだ。

といっても、学生の時に買ったのではなく、京都放送をやめ、フリーになるタイミングに買ったものだ。

女学院の校章に、私の誕生石であるダイアモンドがあしらわれたデザイン。

薬指のサイズであわせている為、結婚指輪も婚約指輪もする場所がない。

貴石は(特にダイアモンドは)、持ち主の厄災を吸収するという。
石には不思議なチカラがあって、そのチカラを以て、災いを吸収したあと、ふっと姿を消す事がある、なんて言われている。

実は、この話を信じざるをえない様な不思議な経験をした。
カレッジリングは、購入して以来、肌身離さず、ずーっと身につけてきた。

ある時、人生最大のトラブルが起きた。
対処に必死で、指輪を気にしている余裕がなかった。
ある時、外出しようとした際、ふっと思い出し、いつもの置き場をみると、指輪がない。
なくしたら嫌なので、必ずここに置いていたのに。
絶対、ここでしか外していないのに。

探しても、探しても出て来なかった。
家中、ひっくり返す様にして、すみずみまで探したのに。
落胆が大きく、早く忘れて、そんなものは初めからなかった事にしてしまおう位の気持ちでいた。

ところが、ある日。
そのトラブルも解決の兆しが見えた頃、気がつけば、足下にゴールドに光る指輪があった。
私のカレッジリングだ。

おかしい。
何十回も探した。猫でもいればくわえてここに置いておいたのかな、なんて思うが、全くそんな同居人はいない。

おかしい。
どう考えてもおかしい。

まあ、とにかく大切な指輪が戻ってきた事が嬉しくて、とにかく良かった、と思っていた。

後日、「持ち主と気のあった貴石は、トラブルが起こると身代わりになってくれて、全部チカラを使い果たしたら、姿を消す。そして回復すると、また戻ってくる」なんて話を聞いた。

トラブルも、思い返せば大変だったけれど、きれいに着地した。
指輪がチカラを貸してくれなかったら、とんでもないダメージがあったかもしれない。再起不能だったかも。

浮気はせず、この指輪と一生過ごして行く事を決めた。

それから、指輪を休ませる時以外は、常に一緒。
どんな時も同じ空気を吸ってきた。

死んだら、持って行くか、大切な人に引き継いでもらいたい。
もう身体の一部。絶対に手放せない。

こんな話を思い出したのは、今日、ちょっとしたお守りを買いに行ったから。
離れていても、あなたのことを大切におもっている友人として、なにかしらの思いを届けたい。
一生を共にする貴石ほどでなはないけれど、常に「思い」があなたを守っています様に。

そんな気持ちを届けたいな、と思う。

私の「思い」が「祈り」が、あなたをいつも守ってくれます様に。
小さな願いが、届きます様に。

「主に泣いていました」

主に泣いていました。

人気まんがのタイトルを借りるなら、今日はこんな1日でした。

夕方からの仕事だったせいか、何だか気持ちが整わなくって、現場に入ってからも、ちょっとバラバラな自分がいた。

そんな気持ちで本番が進む中、いつも仏頂面のスタッフが、何があったのか満面の笑みで、指示を出してくれた。

その笑顔を目にした途端、自分の気持ちが溢れだしてくるのがわかった。
押さえられない、思いだった。

「私、ここにいていいんだな」

そして、笑ってくれるだけで、ひとの気持ちってこんなに楽になるんだな、って。
なんだか、涙が溢れてきた。

昔から、人が怖かった。
人に対して、どうやってことばをかけていいのか、わからなくて、
でも、人に触りたくて。

いつも、人の目を気にしていて、些細な一言にびくびくしていた。

天才っているんですね。
コミュニケーションの天才。
いつも人に囲まれていて、
多くの人に囲まれていて、きらきらしていて。

私はそんな人では全くなくて、うらやましくて、うらやましくて、でも、絶対そんな人にはなれなくて。

だからこそ、そういう思いをしている人に、
一人でも、少しでも、
その思いを軽くしてあげたい、と思っている。

振り返れば、過去、辛くて辛くて、もう死んでしまうしか解決方法はないんじゃないか、と思った時、救ってくれたのは、人だった。

頼りにしている、数少ない友だちだったり、
こらえきれず、電車で泣いている時に、そっとティッシュを手渡してくれた知らない人だったり(さすが、近鉄電車)、
「なんとなく撮りたくって」と、沈む私の横顔にカメラを向けてくれた職場の仲間だったり、
そんな人が少しずつ、いいんだよ、いいんだよ、って言ってくれて、ここにいる気がする。

そんな後ろ向きなしゃべり手も、なかなか珍しい。

そういえば、去年、「痛オイシイ」って言われたな。
今となっては、なるほど正解です。熊谷さん。

友人に「何?最近のそのプライドのなさっぷりは?」と笑われる事も多いけど、
「ダメな自分」を認めて初めて、ちょっとだけ地に足がついたような気がする。

相手がどうしてほしいかなんて、もう、どうでもいいや。

私は、私が一番欲しかったもの、今も一番欲しいものを、差し出そう。

男、女、年齢、立場、問わず、
プライベートな関係であろうと、仕事で一瞬だけ時を共にする人であろうと、ホッとしてもらいたい。
心を解いてもらいたい。

そんな時間と空気で、人を包みたいのだ。

ちょっと疲れた時に、ふっと連絡してみようかな、なんて思ってもらえるような。

こんなエゴ満載の私を受け取ってくれる人なんているのかな。

あ、それは、もう気にしない事にしたんだっけ。

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