May 20, 2011
「さよならドビュッシー」中山七里
今また、読書ブームがきている。
長いジンセイの中で、私が何かにとりつかれたように本を読んでいるときは、決まって、ある心理状態のとき。
現実逃避。
思考の空白を作りたくないから、他人の感情に身を任せるって訳。
そんな中出会ったのが「さよならドビュッシー」
宝島社の“このミス大賞“受賞作。
先に、この作品と賞を争って、次点になった方を読んだが、十分面白かった。
で、これを抑えた受賞作とはどんなもんじゃ?と、読んでみたら…
ぶったまげた。
それ程級の超良作。
解説で「音楽+スポコン+ミステリーのハイブリッド」とあるが、
これ以上、説明の言葉はいらない。
ってか、できない。
「のだめカンタービレ」で、指揮者とはなんぞやを学び、
「さよならドビュッシー」で、ピアノとは何か、を感じた。
元々、「職業あるある」が大好きなのもあいまって、幼い頃習ってはいたが、一瞬たりともおもしろいと思わなかったピアノに初めて触れた気がした。
女学院の音楽館で、レッスンに励むピアノ専攻生は、こんな事考えてたのか…。
「表現すること」についても一考を迫られたのは「スワン」(バレエ漫画不朽の名作)と同じくパターン。
あぁ…あたしって、だめ人間…。
でも、これほど読ませる技法の作家も久々に出会いました。
明日、次作「おやすみラフマニノフ」を急いで買いにいこう。
最近イチのオススメ本。
唯一、欠点を挙げるとすれば、岬洋介があまりにも出来杉君なとこ。
まぁ、オトメの夢のお相手ってことで、現実逃避には欠かせない、か。
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