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Jun 29, 2012

「画」のチカラ -「福島 飯館村の四季」によせて

ポスト @ 15:32:20 | 読書感想文

私は、カメラマンに嫉妬する。

しゃべり手である私は、見たもの、感じたもの、考えた事をことばを使って伝える為に、現場にいる。

ことばを紡ぐ為には、様々な作業が必要だ。
その場でキャッチした事を、頭の中で言語化し、自分のボギャブラリーの中から、(本当に貧弱な中から)最適と思われることばを選び出し、構成を考え、発する。

だが、ことばとは、限定的・断定的な伝達手段なので、はまる時はスバラシイ持っていかれ方をするが、そうでないときのハズシっぷりは、恐ろしい
。 極めて繊細な感覚で、伝えるべきものをキャッチしたとしても、表現が鋭敏すぎては万人には届かない。

「トランスレーター」(通訳者)の様な心持ちで、より分かりやすく物事を伝える為に、その手段を吟味しすぎて陳腐になり、結果、誰の心も動かさないという事も、しばしば起こる。

しかし、カメラマンはどうだ。
カメラを回す。もうそれだけで、全てが伝わってしまう。
勿論、積み上げた技術、磨かれたセンスの賜物であることは、重々承知の上だが。

すばらしいカメラマンと組んで現場に立つと、下手なリポートも、飾ったナレーションも、媚びたコメントも、何も要らないと思うことがある。
モニターを見ながら、黙りたくなる。ことばを失う。

「画」そのものの持つ圧倒的な力。そして、カメラマンの「目」。
同じ場所に立って、同じものを見ていたはずなのに、切り取られた世界に愕然とする。

「ああ、この人はこんな風に、あの場所を見ていたんだ」
「この人の見た世界はこうなんだ」と。

そこにカメラマンの意思(作家性)が宿りながらも、「画」の持つ力はとても広義であり、多面的だ。
受け手の心のどの部分を震わせるかは、その人、その時によって違う。まるで音楽の様に。

その懐の深さに、ただひたすら憧れる。
テレビの仕事をして20年近く。長年心の中にあったそんな思いを掘り起こす、一冊の本に出会った。

「福島 飯館村の四季」烏賀陽弘道 著。(双葉社刊)

朝日新聞の記者出身で、多くの著作において、正確かつ分かりやすい筆致で、冷静に世界を切り分けていく。
そんなペン記者のプロ中のプロが、初めて刊行したフォトブックだ。
開けば、そこにはことば(だけ)にはない説得力がある。
あえて、ことばで全てを語らず、世界を切り取る視線に思いを込める。
そこに広がる光景は、美しい。とても美しいのだ。一見。


この本をより深く理解する為に、併せて読みたい本がある。
飯館村 村長 菅野典雄氏が書かれた「美しい村に放射能がふった」(ワニブックスplus新書)だ。

今年の3.11を迎える時、メディアの喧噪から離れて、関連の著作を読んで過ごそうと思い、手にした一冊だ。
ことばでは語り尽くせない惨状。
これだけの思いを、人生を、原発は一瞬にして破壊した。


どうしていいのか分からない。自分が「伝える仕事」をしているからこそ余計に、本来なら広く伝えて知らしめたいのに、その手段を持たない身としては、歯痒くて仕方なかった。
ジャーナリストである烏賀陽氏は、見事にそれを表現した。さすが!の一言である。

美しさの裏にある、静けさ。
美しさを構成する、自然の力強さ。
美しさがもう二度と還らないのだという、切なさ。
美しさを地球上のどこにもない異質なものに変えてしまった、人間の愚かさ。

何が、これを、引き起こしたのか。
誰が、ここを、そうさせたのか。

この本をめくる度に、著者の狂おしいほどに震えた心に共振する。

今、何が起こっているのか。
この国の国土で、何が起こってしまったのかを、一人でも多くの人にまず、感じてもらいたい。

すべては、それからだ。

サイト、更新中!

ポスト @ 15:13:09 | お知らせ

すみません!お知らせしてませんでした。
今、サイトを更新しています。
もうすぐ、すてきサイトが出来上がるはず。
写真も、いいんですよ、これが。

本当は書きたい事、いっぱい在るんですが、もうちょっとだけお待ち下さいね。
では!!
吉見由香

May 10, 2012

ボーイング787 !

ポスト @ 18:14:03 | 今日のできごと

今日は、大阪への移動日。

新幹線が苦手なワタクシ。
最近は、大好きな夜行バスに乗る時間も余裕もなくって、もっぱら飛行機。

今日は、出発時間を1時間遅く勘違いしていた!!なんて笑えない失敗もました。
まあ、空港に早く行って、ご飯食べて、なんて思っていたので、セーフでしたが。

そして、搭乗口で待ってると、アナウンスが。

「1300発の当便は、ボーイング787の機材を使用します」
え?まじ???

別に飛行機マニアではないのですが、機影にて機種とか言い当てられませんが(友人、知人にそんな人がちらほら)やっぱり嬉しい。

で、乗ってみました、新機種787。

なんかねー、飛行機に乗ってる感がしないの。
いい意味で。

昨日の嵐の影響を受け、飛行機が揺れまくり。
お茶サービスもほぼなし、の状態。
でも、なんだか、怖くない。この恐がりの私が。
なんていうんだろう、天井が高かったり、窓が大きかったり、と視覚的に飛行機に乗っている感覚がないんですよねー。

だからか、揺れても(結構、揺れた、一番揺れたかも)、怖くなくって、ふーん、揺れてるわ、ぐらいな。

きっと、本質的に従来の「飛行機」環境ではないのを身体が感知していてるんでしょうね。

これは快適です。長距離、飛んでみたい。

毎回楽しみにしている機長アナウンスも、今回はなし。
CAさんからは、「揺れますが、大丈夫です」というアナウンスは、4回くらい入りましたが。。。。

これから、787 探して乗ってしまいそう。
楽しかったな。
早速、飛行機好きの知人に自慢メールを送りました(笑)

あ、機体に787って書いている塗装は、今だけで、3号機くらいからは、通常塗装になるそうです。

787.jpg

あ、この写真は、先月、空港に駐機されていた 787。
実際乗ったのは、いいショットがなくて、こっちを採用。

May 09, 2012

ただいま、勤務中

ポスト @ 15:56:52 | お仕事日記

毎週水曜日は、ラジオ日本 報道センターにて、
1日、ニュースを読んでいます。

局アナ時代と同じ内容のお仕事。
当時は、読んでいればいい、って感じだったんです。

でも、RFさん(ラジオ日本のコールサインから来る呼称)でのお仕事は、
報道デスク業務も兼ねています。

提携している読売新聞のメディア部から出稿されるニュースを選別し、
その時間のニュースの枠に合わせて、時には、リライトし、という作業もあります。
なので、朝から夕方まで、一瞬足りとも気が抜けません。

時間だけで編集してしまうのではなく、このニュースの肝(キモ)はどこなのか、と外さない様に、気をつけます。

意外に、忘れてしまうんですよねー。

関東圏のみなさま、1422 ラジオ日本、よろしくお願いします。
ラジオ日本.jpg

May 08, 2012

つながる

ポスト @ 12:26:19 | ひとり言

私の愛読書の一つ(?)、に「美味しんぼ」がある。

山岡さんと栗田さんが結婚するまでが、面白みのピークだった。
全県味巡りが始まって、あまり購入する事はないのだが、そこまでは、ほぼ全巻揃っている。

なんていうのかねー、アタマを使いたくないけど、空白にもしたくないなんて時に最適なよみものなのだ。

で、お昼時間にぺらぺらめくる事が多いのだが、
今日、手にとった46巻。

なんと、まあ、最近、その方の著書を拝読した方が、でてらっしゃるではないか!

その方の名は、畠山重篤さん!NPO法人 森は海の恋人の理事長をつとめていらっしゃる方です。
気仙沼に拠点を持つ団体で、震災以降壊滅状態の海を再生させようと様々に活動しています。

うわー、「美味しんぼ」を古本屋さんで全巻オトナ買いした大学時代から今日まで、
千度読んだ巻やのに。

著作を読んだときもわからなかった。
特に、関西人には、牡蠣は三重か広島やから、頭の中でリンクせぇへんかった。

知るって物事が立体的につながっていくことなんやなぁ。

細切れで知識を知ってても、意味がない。
どんどん世界が立体的につながっていく事が、重要なんだね、と改めて実感。

May 07, 2012

テレビがこだわっているもの

ポスト @ 23:50:44 | ひとり言

今日の夕食の話題は
「テレビって、結局、何にこだわってるんだろうねー」
なんて事でした。

事の発端は、レンジャース ダルビッシュ投手の記者会見のVTR編集。

詳細は割愛しますが、
局によっては、編集が恣意的に感じられる。

「それって、ダルビッシュはそんなこと意図してないよね」と思う事が多い。

そこだけ抽出したら、表面だけみたら、全く別の感想を持ってしまう。

編集の際、一番キャッチーなところを抽出するのはフツーのことで、
前後とかあまり考えない事も多かったり。
尺の制約によってそこ優先とかも。

怖いねー。なんか違うよねー。

そこで、思い出したのは、元 日テレの永井美奈子さんの昔のブログ。
永井さんが大学院で学ばれていたときの修士号の口頭試問にて。

詳しくは失念しちゃったけど、口頭試問に際して、テレビマンの手法を最大限に生かして、いかに事象をシンプルに削っていくか、センセーショナルに、印象的に訴えていくか、で、乗り切った、と書いていらっしゃいました。

あ、そっかー。「テレビの手法」かー。と。

もちろんバブル華やかなりし頃のお話だと思いますが。


それをやりすぎちゃったから、
みんなテレビを見放したんだろうな。
テレビって、見てて疲れるもんね。
(あたしが言うな)。
情報量が多く、刺激性が高いテレビに於いて、
簡単、わかりやすい、柔らかいものばっかり食べていたら、
そりゃ、社会は破綻しますわな。

もちろんしゃべり手として、「コンパクトかつインパクト」は重要なテクニックの一つではありますが、
全体を見て、その落とし穴にはまらないようにしてかなきゃね。

疑え、疑え。
もっとそこに何かないか、もっと疑え。

May 06, 2012

サイファ並みの。

ぽっかり空いたお休みの二日目。

昨日、教えて頂いたコースで、お休み気分を堪能!

今日のコースは、浜松町から船です。
船に乗って、お出かけです!

TOKYO CRUISE なんて、おされな名前がついています。

東京にあって、大阪にないもの。
その一つが、この水上バス。

大阪湾って、なんか、なんかなんですよねー。
大川とかは、それなりにいいんですが、川だし。


水上バスの駅に着いたら、なんと、潮の関係で夕方から欠航!

キケン、キケン。
すぐ後ろの便からアウトでした。

もしかしたら、スーパームーンの関係かもしれないね。

船がねー、気持ちいいの。
ゆりかもめも好きです。なんていうか生活感のある海なんですね。
南国リゾート奄美大島のエメラルドブルーの海がデフォルトの私にすると、
逆にこういう都会に隣接する海も、なんだかいいもんだな、と。

浅草方面への便が満員だったので、結局お台場にいったのですが、
風が気持ちよくって、都会ですり減った気持ちをチャージできるようなひとときでした。

なんとかブリッジ.jpg

やっぱり思い出すのは「サイファ」のあのシーン。

スタテンアイランド・フェリーですよ。
ニューヨーク行きたいな。

死ぬまでに、一度は見ときたい街、No.1。

パリとかマドリッドとかは、なんとなく予想はつくんだけれども、
ニューヨークはなんだかイメージはつかないんだな。

誰か、ニューヨークに連れてって下さい。