久々に見に行った映画は「ファースト・ポジション〜夢に向かって踊れ!」。
ニューヨークで開催される世界最大のバレエコンクール、ユースアメリカグランプリの出場者を追った、ドキュメンタリーだ。
バレエの世界って、全ては序列。才能が全てなので、非常に残酷。
クラス中、目もかけてくれない生徒は、一回も名前を呼ばれずに終わる、なんてざら。
どのスポーツもそうかもしれいないけど、努力だけでは乗り越えられない。「美」。生まれつきの手足の長さ、形、顔の大きさ、雰囲気。
アスリート並みの鍛錬をようする、テクニックと、演技力、表現力。
バレエの世界を知る度に、バレエこそが世界一の総合芸術だ、と思えてくるほど。
突出した才能たちは、コンクールに出場して、有名バレエ学校への留学の切符を手に入れる。
莫大な費用がかかるバレエ留学なため、奨学金つきのオファーかどうか、とても重要なのだ。
そのコンクールで有名なのが、スイスのローザンヌバレエコンクールと、このYAGP(ユース アメリカ グランプリ)だ。
(この辺りのくだりは、まんが「テレプシコーラ」に詳しく描かれている)
バレエの世界に馴染みがない人には、ここに魅力を感じないひとにはとても理解し難い世界かもしれない。
でも、ただただ、踊りたいのだ。すこしでも美しく。
私は、小さな自分のバレエ観から、ダンサーこそ最高に鍛錬された精神をもっている、と思っている。
自分と闘いながら、「美しさ」にたいして一切の妥協をせずに、ただひたすら稽古に励む、まだ10代の参加者たち。
でも、ステージに出る姿は、もういっぱしの「ダンサー」だ。
美しさで観客を夢の世界へと運んでいく。
幕が上がる瞬間。袖から舞台へ出るときの表情。一瞬で空気を変え、観客をかっさらう事ができるのは、「あの」立ち姿だ。
そんな彼らの姿が、私のココロに強く刻んだ事。
「強い意志」
あるいは、明確なビジョンと言ってもいいかもしれない。
決意。確かな目標に向かって、イメージしてそこに向かっていく事。
努力できるかどうかも、才能なら、ビジョンを持てるかどうかも才能。
願って、願って、イメージして、とにかくそこへ突き進んでいく。
この事の大切さが、胸に強烈な印象を残した。
中途半端な才能は、とても残酷だ。
願わくば、ここの登場したすべてのダンサーの卵達が、けがなく、スポットライトを浴びる舞台へとすすめますように。
そうそう、びっくりするくらい無力的だった、ミコ・バーガティーちゃん。(日英ハーフのアメリカ人)
来年のローザンヌの決戦に残ったそう。
心から応援しています。